新聞記事文庫 国際労働問題(9-032)
大阪朝日新聞 1927.4.3(昭和2)
重慶大混乱に陥る
百数十名惨殺さる
英米領事館対岸に避難
その筋着電によれば、三十一日朝重慶において反英米の示威運動があったが、演説に移らんとするや群中から平服を着た二、三百名が一斉に躍り出で棍棒、青竜 刀を揮い幹部男女学生を惨殺し、死者百数十名負傷者多数に及び市内一時大混乱に陥った、内部のあつれきによるものと見られる、わが領事館には三十一日衛戍 司令部から衛兵三十名つめかけている、英、米人は全部商船二隻で引揚げ英艦三隻護衛して下江した(東京電話)
【上海特電二日発】重慶三十一日発某所着電によれば重慶では南京事件の影響を受け形勢不穏になりつつあるをもって英、米領事館は対岸に移り英、米居留民は軍艦に収容されたと、なお日本居留民も引揚げ準備中の報が某所に入った
北京天津の不安濃し 各国駐屯軍の出動準備 支那商店そろそろ避難
【連合北京一日発】南京事件以来北方の戦局捗々しからず北京、天津地方の住民の不安俄に濃厚の度を増し、京津間の南京事件の善後策 共同調査以外に新調査委員会 軍部党部工団に組織させて正式に交渉
その筋着電によれば、南京事件につき列国と支那側の共同調査が行われることになっているがわが政府としては更に軍部、党部および工団からなる調査委員会を設け厳重調査した上で関係各国と正式に交渉する意向であると(東京電話)清江浦と●州占領 躍進を続ける国民軍
【上海特電二日発】党軍左翼の第一師は三十一日清江浦を占領、中路軍第三十七軍の先鋒は三十日●州を占領したと、孫伝芳軍の鄭俊彦軍は黄橋に、周蔭人軍は海安に、白饗山、馮紹閔軍は姜堰方面に退却した第三戦隊も上海に急航す 「八雲」は明朝出発
海軍省発表―「八雲」は三日午前七時上海に向け横須賀出港の予定また青島に在泊中の第三戦隊「阿武隈」及び「球磨」に対し上海派遣の出動命令が発せられた、両艦は一日午後七時青島を出発したが、二日午後二時上海に着いた、なお旗艦「鬼怒」は青島に残留している(東京電話)乗艦を終った 「八雲」の陸戦隊
上海へ出動を命ぜられた軍艦「八雲」は一日夜から軍需品の積込みにかかり、陸戦隊五百名も二日正午までに全部乗艦を終った(横須賀電話)鎮江英租界回収 租界内の外人撤退
その筋着電によれば鎮江では二十四日南軍占領とともに英国租界回収の交渉始まり二十五日正午支那の手におさめ税関も占領した、租界内の外人は全部撤退した(東京電話)データ作成:2006.6 神戸大学附属図書館
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