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2008年4月12日土曜日

ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報 : 中西輝政氏らの「あの戦争の仕掛け人はソ連だった」という説に反論する必要がある

最近、ラルフ・タウンゼントの『アメリカはアジアに介入するな』(芙蓉書房出版)を少しずつ、読み直している。彼の『暗黒大陸中国の真実』(同)も、第2次世界大戦前の中国のナマの姿を伝えてくれる好著であるが、全部は読んでいない。

タウンゼント Ralph Townsend は、 コロンビア大学卒の元国務省の「チャイナ・ハンド」で上海副総領事(1931年)などを務め、革命前の中国の内情をつぶさに観察していた人物。日本をあま りにも擁護する言論が仇になって、真珠湾攻撃後、国家反逆罪で1年間刑務所に入れられている。1975年まで生きた。

何故かこの2年前くらいから、芙蓉書房出版という名前からして産経グループ系の出版社から著作が刊行された。おそらくは、歴史認識問題に一石を投じるための出版だったのだろう。

アマゾンの書評を読むと、その意図に沿った優れた書評が掲載されていた。

(引用開始)

72 人中、67人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。

はめられたアメリカ, 2005/7/21
レビュアー: 源之助 (茨城県) - レビューをすべて見る

太平洋戦争の原因を探る試みは、戦後六十年たった今でも続けられている。その努力は、日本の過去における「間違い探し」に集中していた。本書の発刊により 新しい視点が提示された。「閉ざされた言語空間」を破る鍵がここにある。日本の過去に向けられた眼差しを、アメリカの過去に向けることができた時、日本人 の精神は、占領統治時代の呪縛から開放されるにちがいない。

本書は「暗黒大陸中国の真実」の続編である。著者のラルフ・タウンゼントは、アメリカの国益という観点から、断固たる日本擁護論を主張していた。彼によれ ば、日本はアメリカの世界第三位の得意先で、支払いもちゃんとしており、国民も友好的で、満州国建国後の輸出も順調だった。これは当時の商務省の数字など から示された事実で、彼の主張は多くの人に受け入れられていた。だがアメリカの国益に興味を持たない「国際主義者」たちが、執拗に反日を煽り続け、ついに アメリカは、対日戦争を決意するに至るのである。

この謀略はソ連が仕組んだものだった。アメリカはソ連にはめられたのである。日本の和平工作が空しいものとなった背景にはこのような事情があったのである。国際政治とは恐ろしい。
当時の国内情勢を、タウンゼントは日本への手紙の中で次のように訴えている。「現在米国の言論は主としてボルシェヴィズム論者及びその愛好者のニュース根 源から発せられ」「今日米国の左翼労働者は極端にロシアに親密だ、日本はボルシェヴィズムの敵対者として知られている、従って日本に有利なニュースを提供 する新聞紙は労働争議を惹起す」当時の新聞の切り抜きとその解説を見るだけで、日本の不利は明白であった。

歴史とは総合的に見るべきものである。この方面から今後、新たな研究成果が得られることを期待したい。研究者必読の書である。

(引用終わり)

この書評は、出版社の出版意図に最も沿った形で内容を巧くまとめていると思う。この本はタウンゼントが第2次世界大戦へのアメリカの参戦を防ぐべく、執筆 したパンフレットのような小冊子「国際紛争を求めて平和を望まぬものたち」を中心に幾つかの論文を収録しているものである。

上の書評の言うとおり、日本による満州国建国後もアメリカの満州への輸出は増え続けていた。そのような事実がありながら、アメリカの国際主義者(インター ナショナリスト=グローバリスト)たちは、「満州国の門戸は既に閉鎖された」と声高に批判した。彼の理解では日本は「遅れてきた帝国主義者」であり、他の 列強も多かれ少なかれ同じようなことをしていた。

随所に「国際主義者」とソ連が支援する国と、それらの勢力に敵対する国家(日独伊)では、マスコミの取りあげ方が180度変わるという、アメリカのマスコミのダブルスタンダードが槍玉に挙がり批判されている。

だから、この本を読むと、ひょっとしたら上の書評のように「日本とアメリカの戦争させたのはソ連だ」という結論する人が多いかも知れない。日本では、そのような世論形成の一翼を担っているのが、中西輝政氏だろう。

しかし、ちょっと待ってほしい。それだけでは全体の半分しか真実を捉えていない。

タウンゼントは慎重にして語らないが、「国際主義者」の本当の正体は、アメリカのウォール街の大金融資本である。そのことのヒントを随所に彼は散りばめている。(その一例を最後に転載しておいた)


タウンゼントは、第2次世界大戦を生みだした「国際主義者」たちは、第一次世界大戦の時にも同じような手口でアメリカをイギリス救援のために参戦させたと 何度も書いている。これだと、国際主義者が単に「ソ連」あるいは「共産主義者」だったでは説明が付かない。これはシティとウォール街の金融資本が、戦争を念入りに仕組んで、アメリカを引きずり込んだと暗に主張していると読むべきである。

国際主義者の正体について、彼らがヴォルシェヴィキに資金援助を行ってロシア革命を手助けしたということは、アントニー・サットンなどのアメリカの研究者 が解明している。なぜ、それほどまでにアメリカの大金融資本が、共産主義を支援したのかは謎なのだが、トロツキーはNYのウォール街の資金で革命を行い、レーニンは欧州の金融資本の放った「封印列車」でロシア入りしている。

タウンゼントは、盛んにメッセージを送り続けているが、ウォール街の巨大資本の息の掛かった権力による弾圧を恐れてか(実際、彼は国家反逆罪で捕まる)、この本の中では彼らについてはほのめかす程度である。しかし、読む人が読めば、「アメリカ人よ、アメリカの問題を優先せよ。海外の戦争に米国を巻き込もうとする、シティとウォール街の戦争利権のお先棒を担ぐマスコミのプロパガンダにノセせられるな」と訴えている事は分かる。タウンゼントは筋金入りの「アイソレーショニスト」である。

彼は、「アメリカ人が関係のない国のもめ事に肩入れするのはおかしいことである」と書いている。アイショレーショニストそのものではないか。アイショレーショニストはアメリカが自国の国益を無視して他国への介入戦争を行うことを徹底的に批判する。これを「孤立主義者」と蔑んで呼んだのは、まさに「国際主義者」のものいいである。ソ連要因も重要だが、ウォール街の要因を無視しては話半分である。なぜかそのように少しでも言わないことになっているらしい。

中西輝政氏はジョゼフ・マッカーシーを引き合いに出しながら、彼が本当は何と戦っていたのかについて、全体の半分の話しかしない。共産主義者とウォール街の手先、ジョージ・マーシャルと戦っていたのである。これが意図的にアメリカのウォール街に不利になるような言論を避けたのであれば非常に悪質である。

中西氏の主張は、『諸君!』6月号に載っている。ソ連の影響とアメリカのウォール街の戦争を望んだゆえの謀略(真珠湾などその最たるもの)、この両面を合わせて論じなければ、歴史の真実は逃げていくばかりであると思うのだが。

新史料発掘 あの戦争の仕掛人は誰だったのか!?
伊藤隆(東京大学名誉教授)/北村稔(立命館大学教授)/櫻井よしこ(ジャーナリスト)/瀧澤一郎(国際問題評論家)/中西輝政(京都大学教授)
http://www.bunshun.co.jp/mag/shokun/index.htm

===
(引用開始)

ラルフ・タウンゼント『アメリカはアジアに介入するな!』(芙蓉書房出版・刊)(二九四頁~二九七頁)

<過剰な国防論にご注意>

まともなアメリカ人なら誰でも「相応の国防は必要であり、なければならない」ことに異論はない。しかし、過剰なまでの国防論の裏にある邪悪な狙いには注意 が必要である。その数は少ないが、「戦争を招かないために、軍備をさらに拡張すべし」と叫んでいる連中と、アジア、ヨーロッパの戦争に参戦したがっている 連中とは、同じ連中なのである。

第一次大戦に参戦する時、騙されたことを忘れてはならない。参戦前の一九一六年、安全保障同盟、国防同盟等を名乗る組織は全て、陸海軍の増強を求める一大キャンペーンを張っていたのである。
「アメリカに戦火が降りかかるのを防ぐ用意である」と称していた。しかし初めから戦争をしたかったのであり、「戦火が降りかかるのを防ぐ」どころか、アメ リカを戦火に投げ込もうとしていたのだということが後になって明らかになったのである。これにはウッドロー・ウィルソン大統領も一枚噛んでいた。早くも一 九一六年三月には、英・仏が単独では勝てないとしたら、助太刀しようと企んでいたのである。

【原注】証拠は多数ある。例えば、E・M・ハウス大佐が書き記した物や、イギリス外務大臣のエドワード・グレイの回想録等がある。

国際主義者の常套手段通り、こうして裏で画策した上で、ウィルソンは「戦争不介入」を掲げ、再選運動を繰り広げ、いわゆる「準備」パレードを始めた。カラ スのような間抜けな大衆は、これがてっきり国防の「準備」だと勘違いしたのである.しかし、ウィルソンは在任中唱えていた「絶対中立」に反しただけでな く、初めからアメリカの安寧など毛頭胸中にない連中と謀り、再選用の選挙スローちガンにも反し、参戦の道を探っていたのである.

結局、ウィルソンのいわゆる「準備」キャンペーンも、愛国を隠れ蓑にした参戦運動の一つだったのである。大戦後、上院査問委員会に立たされたウィルソン は、「参戦の本当の理由は、一九一七年初頭のドイツ潜水艦による無差別攻撃ではない」とついに認めざるを得なくなった。遡るはるか以前に計画は出来ていた のであった。反論できない証拠を突きつけられては、さすがのウィルソンも「潜水艦の無差別攻撃とは関係なく、おそらく参戦していたであろう」と認めざるを えなくなったのである。

あのウィルソンにしてこうであるから、国際主義者と繋がりがあることが明らかな者には「すべからく信を置くこと能はず」と心得るべし。
国現在の状況はあの一九一六年と似ている。伝わる情報のほとんど全てを国際主義者という少数グループがにぎっている。大新聞の大部分を、ラジオのほぼ全て を、そして映画界に至っては一〇〇%握られているのである。となれば、政治家にとってこれほど強力な「後援者」になるものはない。選挙運動には「打ってつ け」である。だからこうした政治家は、この国際主義者が戦争を仕掛けたい国に「戦争を」と意思表明することで媚を売っているのである。

上位で楽に当選する者ならいざ知らず、下位の者には「再選が全て」である。となると、なりふりかまわず、アメリカにとって無用なヨーロッパやアジアの戦争 に平気でアメリカを参戦させるような、つまり、「印刷機のインクのためなら、平気でアメリカ人の血を売る」、そういう落ちぶれた政治家がかなりの数にな る、ということになっているのかもしれないのである。

さて、心あるアメリカなら誰しも「相応の国防」は望むところ。ただし「相応の国防」であって、新聞等に騙され、慌てて異国の戦争に参戦することになってはならない。あくまで「専守防衛」に徹することが大切である。

<アメリカの第五列>

外国勢力を援助するため、国民を煽動し、我が国の国益を損なおうとする者達をいわゆる「第五列」というが、こうした連中がこのアメリカを脅かしているので はないか、という声が上がっている。私は何年もこうした、アメリカ国内に潜む、外国の国益を優先する連中に反対することを、ものに書き、口にもしてきた。 こうした者どもとは、一人の例外も許さず、ことごとく戦うことを主張してきた。イギリスに付くか、ドイツに付くか、いずれに付くにせよ、参戦運動をするの は、即ちこれ「反米運動」なのである。中国に付くか、日本に付くか、いずれに付くにせよ、参戦運動をするのは、これもま即ち、反米運動なのである、

いずれもアメリカの国益より、外国勢力の利益を優先するものである。

戦争屋は片時も休まず、情報を捻じ曲げ、「アメリカヘの忠誠、これ即ちイギリス国王への忠誠なり」との思想をアメリカ人に植え付けようと努力している。イ ギリス国王への忠誠など、一七七六年の独立宣言でとっくに終わったはずだ。以来、独立宣言を取り消す等ということは、見たことも聞いたこともない。
また、同じく(表沙汰にはならないが、国際主義者が儲かるために仕組んだ策略であるが)、アメリカの国益をないがしろにし、アメリカを日本と戦わせたい連中は、「アメリカ人なら蒋介石を支援すべし」との考えを広めようとしている。
いくら何でも無茶である。中国とは、血生臭い専制政治が数千年も続いている国である。冷酷残忍な独裁国家である。アメリカ人とは比較にならないほどの、気質も考え方も異なる東洋の伝統を持つ国である。これほどアメリカと違う国はまず考えられないのである。

だから、いわゆる「第五列」との戦いにおいて重要なことは、カーネギー国際平和財団などの膨大な数の組織を相手に、一つの例外を認めず、戦うことである. これらは平和という仮面こそかぶっているが、イギリス側に付いて参戦させるための運動に、毎月何千万ドルという金をつぎ込んでいる。

力ーネギー財団の創設者はアイルランド生まれの英国人、故アンドリユー・カーネギーである。現在の総裁ニコラス・マーレイ・バトラーは、第一次大戦にアメ リカを参戦させた運動の功績を買われて抜擢された人物である.こうした類の人物の演説は、どこでも「ハト派」と持てはやされている。「ハト派」の仮面をか ぶっていれば、どんなに戦争の話題を取り上げても許される。ところが、彼らの言う「平和」とはいつも「イギリスの敵を倒せ」という話ばかりであ
る。

ラルフ・タウンゼント『アメリカはアジアに介入するな!』(芙蓉書房出版・刊)(二九四頁~二九七頁)
(引用終わり)

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