中国裁判官が日系企業にわいろ強要 、断ったら設備破壊
【瀋陽=末続哲也】中国遼寧省大連に進出した日系企業が係争中の民事訴訟の担当裁判官からわいろを強要され、断ったところ、設備を破壊されて8年以上も操業停止に陥っていることが分かった。
中国の司法当局の腐敗ぶりを象徴する出来事で、日系企業側は、来月訪日予定の胡錦濤国家主席らに先月、「裁判所の違法行為」を告発する異例の直訴状を送った。
日系企業は、東京都江東区の貿易会社「富士貿易」が1992年に設立したプラスチック成形「大連富士模塑微電子」(小宮貴雄会長)。ごみ箱などを製造、約1800万元(約2億6000万円)の年商があった。
小宮会長が99年、知人から大連市中級人民法院(地裁)に借金返済訴訟を起こされたのを受け、法院側は同年、同社の財産差し押さえを決定するとと もに、担当の女性裁判官が、押収した原価58万元(約850万円)の同社の高級乗用車を「8万元(約120万円)で私の夫に譲りなさい」と強要した。
小宮会長が断ると、法院は2000年、成形機の金型交換などに使う大型クレーンを切断、破壊し、押収。工場は操業不能となり、従業員約70人の大半も失業状態となった。
女性裁判官は翌年、別の汚職事件で有罪判決を受け失職し、押収された車が偽の同社印を使い、第三者に所有変更されたことも判明した。本紙は法院に取材申請したが、8日現在、回答はない。
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