fx WEBおもしろ情報収集用ブログ(β版): 【カオス通信】暴走バラエティ『ザ☆ネットスター!』レギュラー化でネットを強力支援

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2008年4月12日土曜日

【カオス通信】暴走バラエティ『ザ☆ネットスター!』レギュラー化でネットを強力支援

2007年11月にパイロット版が放送されて話題になったテレビ番組『ザ☆ネットスター!』が、いよいよ4月からレギュラー化! ということで、早速エアチェックしてみました。この番組はNHKBS2のバラエティで、ネットで話題のネタで構成されているのが特徴。ネットはネガティブな話題ばかりが注目されがちですが、『ザ☆ネットスター!』はネットに好意的な貴重な番組なのであります。

記 念すべきレギュラー第1回目のゲストは、朋先生こと声優の金田朋子さん。もうこれだけでアニメファン&声優ファンは永久保存確定ものです。朋先生は『あず まんが大王』の美浜ちよ役などを演じた、何気に演技派な声優さんなんですが、フリートークで迷言を連発したり、特徴的な高い声が人間の聞こえない超音波を 発生していることが判明するなど、本業以外のネタで話題になることが多い人物でもあったりします。

番組内でも、朋先生の迷言で周囲が困惑してしまう様を表現した「金朋地獄」というキーワードがしっかり紹介されてました。また番組内では、

「早起きは三文の毒」
「成せば成さぬ」
「ヤングの反対はロングでしょ?」

などの迷言が紹介され、さらに本人のコメントで

「なんか、北海道からのメールですって言った時に、インターナショナルですねーって言っちゃたりとか(汗)」
と、もはや本業がなんだかわからない状況になってました(だがそれがいい)。

そのほか、取り上げられたネタは以下のような内容です。

●「世界クリック選手権」
これはイギリス人プログラマーが開発した、クリック数をカウントするサイト(http://www.clickclickclick.com/) で、世界各国のネットユーザーが競争していることを話題にしたものです。日本は2007年に世界一となり、現在も強国ハンガリーとトップ争いを続けていま す。直接マウスでクリックする以外に、自動的にクリックさせるソフトの開発も重要という側面も紹介されていました。日本からハンガリーに送られた応援キャ ラクター「ハンガリーたん」や、扇風機を使ってクリックするハンガリーの最終兵器も公開。ちなみに日本の最終兵器は、クチバシでクリックするインコであり ました。

●「ドアラ」
静止芸で知られるアイツが、ネットスターとして大紹介。神保町でのドア ラ本出版記念イベントの模様や、直立不動の静止芸&激しいダンスを映したネット動画などが放送されていました。番組レギュラーのアイドル・喜屋武ちあきさ んはドアラの大ファンで、「ドアラ本当に結婚したいんですよ」「別にドラゴンズファンとかじゃなかったんですけど、ドアラを見て名古屋に移住しようかと」 と、なかなかのコメントをしておりました。

さらに、本物のドアラが番組に突如登場するというサプライズも勃発。どうも事前に知らされていなかったらしく、ドアラの姿を見た大ファンの喜屋武さんは、ほぼ悲鳴に近い声を上げて大興奮! その後、ドアラはホワイトボードに筆談で、いくつかの質問に答えてました。

(質問)「シャオロンとパオロンのことをどう思ってますか」
(ドアラ)「仕事なかま」

(質問)「なぜ変な行動ばかり取るんですか」
(ドアラ)「いたってマジメですけど」

そんなやりとりをしたあとに朋先生から、
「遅くにでも花が咲いてよかったですよね~」
と、1994年デビューで何気にキャリアが長いことをねぎらうコメントに、ドアラも思わず感謝の気持ちで頭が下がっていました。さらに朋先生はドアラから"ナイスツッコミ"的な指差しアクションで絶賛されていたり。朋先生のバラエティ対応能力は凄すぎです。

●「全自動4コマ漫画」
自動的に4コマ漫画を制作してくれるサイト(http://crocro.com/auto4koma/index.cgi) をピックアップ。これは名前やキーワードを入力すると、自動的にネット検索でヒットした情報が漫画に反映されるというもの。番組を仕切る立川談笑さんの名 前を使って制作された4コマが紹介されてましたが、残念ながら漫画としては微妙な出来でした。漫画の出来はキーワードによってかなり左右されるので、いろ いろ試してみると面白そうではあります。ちなみに私が試した中では「ボトムズ」「江頭2:50」「海原雄山」あたりが結構面白かったです(シュール的な意 味で)。

●「初音ミク現象」
これが今回一番力が入っていた話題になります。動画投稿サイト (ニコニコ動画)に多数作品がアップされていることや、兄弟ソフトの『鏡音リン&レン』『KAITO』『MEIKO』も紹介されていました。初音ミクの ファンとして呼ばれた法政大学社会学部准教授・白田秀彰さんは、「初音ミクのファンというよりは、DTMとかをやってた人間には技術の進化が感動なんで す」といったコメントをしていましたが、どう考えても立派なミクファンそのものに見えました(多少照れがあったようです)。

さらにこの話題はネットの著作権問題にも触れていきます。初音ミクと著作権問題といえば、人気曲「みくみくにしてあげる♪」がJASRACに登録された事件が有名です。この件では著作権の認識を巡ってクリプトンとドワンゴの間で一時言い争いになったり、ファンの間でも色々と物議を呼んでいました。番組内ではJASRACに楽曲登録することで、楽曲を引用する自由が制限されてしまうという部分にネットユーザーが大反発したことを解説。

白田准教授は、初音ミクで作られた作品は権利上の問題が少なく、みんなで共有できるものだったからこそ爆発的に広まったという持論を展開。今後は、ネット上で制作された作品を上手く使うための新しい仕組みを考えていかなければいけない、という提言もされていました。

JASRACの仕事に関しては、「JASRACは、決められたことを決められた通りやった結果、そうなってしまうだけであって、別に悪意を持ってやっているわけではないと思うんですよね」と、擁護する発言をしておりました。個人的にJASRACにはあまりいいイメージを持ってないのですが、白田准教授は公の場で発言するということもあって、大人のコメントを心掛けたのかもしれません。

●「リアル84歳だけど質問ある?」
これはネットでよく見かける「○○だけど質問ある?」シリーズのひとつです。肩書きの"○○"が本物かどうか分からないという部分も含めて、質疑応答のやりとりを楽しむ行為が紹介されていました。この84歳のおじいちゃんのスレでは、

(質問)「好きな音楽は?」
(回答)「最近はロック。演歌とか昭和だし。ニルバーナ、スマッシングパンプキンズとか好き」

(質問)「若いときにもっとやっとけばよかったって思うこと、何かある?」
(回答)「ない。何でもいまからでもやれる。年齢制限があるのは無理だけど。」

と いったやりとりが展開。おじいちゃんの好きな音楽がニルバーナというところで、リアル84歳ではないのでは、という見解が番組内では出されていましたが、 異常に元気で趣味が若いおじいちゃんをリアルで知っている私には、案外ありえそうな話にも思えました(真実は分かりませんが)。

●ネット世界へのバランス感覚に優れた番組
もしこの番組が、民法の地上波で放送されるものだったとしたら、中身は大分違っていた気がします。おそらく若手のお笑い芸人と適当に呼んだタレントが、ネット住人の行動を"痛い"と突っ込んで終了だったかも知れません。そう考えるとこの『ザ☆ネットスター!』は、ネットに好意的で、バランス感覚にも優れた内容に見えました。

番 組のレギュラー陣もかなり頑張っていたように思います。噺家の立川談笑さんは「"パソ通"も入れていいならネット歴20年」という、まとめ上手な好人物。 アイドルの喜屋武ちあきさんは、サブカル好きのネットマニア。ナレーションの柚木涼香さん、関智一さんの芸達者ぶりも番組内でいかんなく発揮されていて、 声優ファン的にも見応えがありました。今後は月イチで放送されていくようですが、これからも硬軟織り交ぜて、ネット世界を正しく世に広めていっていただき たいものです。

参考サイト
ザ☆ネットスター

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