fx WEBおもしろ情報収集用ブログ(β版): 経済最前線:(その2止) 中国産野菜、輸入量大幅減 増産か、我慢か

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2008年5月12日月曜日

経済最前線:(その2止) 中国産野菜、輸入量大幅減 増産か、我慢か

経済最前線:(その2止) 中国産野菜、輸入量大幅減 増産か、我慢か

 ◇先行き不安、農家苦悩

 <1面からつづく>

 中国製冷凍ギョーザによる中毒事件発覚後の国産野菜の不足と高騰は、需要を目の前にしても生産増に応じきれない日本農業の脆弱(ぜいじゃく)さを 浮き彫りにした。安い輸入品に対抗するために進めてきた顧客囲い込みが、逆に増産の足かせになっている面もある。中国産の激減で、外食産業や食品加工の現 場でも混乱が深まっている。【行友弥、坂井隆之】

 ◇「顧客との関係が…」 ニンニク栽培、青森・田子町

 ニンニク出荷量で全国の約8割を占める青森県。中でも田子(たっこ)町のニンニクは品質の良さで全国的に有名だ。

 地元卸売市場で取引されるニンニクの最高値は1月は1キロあたり2100円だったが、ギョーザ事件をきっかけに急騰。4月には3700円をつけた。

 「一部の組合員が農協を通さず、市場に直接出荷するようになった」とこぼすのは、田子町農協にんにく課の新井田文雄係長(49)だ。同農協は農家 の経営安定のため「固定客」を重視。形式上は全農(全国農業協同組合連合会)や首都圏の卸売市場を通すが、実際は年間を通じて特定の顧客に決まった価格で 売る契約栽培に近い方式だ。それが「市場に出せば農協の倍の値で売れる」(地元農家)ようになり、浮足立つ農家も現れた。

 6~7月には今年産の収穫も始まるが、販路や価格はほぼ決まっている。目先の利益を追って顧客との約束を破れば、せっかく築き上げてきた信頼関係が崩れる。農協にとって今の高値はむしろ頭痛の種になっている。

 一方、今秋の増産には消極的な農家が多い。約1・5ヘクタールのニンニク畑を持つ田沼誠一さん(58)は「面積を広げるには人を雇う必要がある し、新しい畑は1、2年はいいものが取れない」と話す。種子を買えば10アールあたり60万~70万円かかるなどコストも大きい。

 安い中国産に押され90年代に一時、1キロ300円台にまで値下がりしたニンニク。最盛期に500戸以上あった田子町のニンニク農家も約230戸 に激減した。その経験から得た答えが、高品質のものを固定客に売る現在の手法だ。「高値は長続きしない。中国産が減っても、いずれ別の国から入ってくる」 (田沼さん)という警戒感が、農家の慎重姿勢の根底にある。

 ◇「ブランド化を優先」 サトイモ栽培、千葉・成田市

 サトイモの生産量日本一の千葉県。成田市の大木博之さん(47)は、ジャガイモほどの大きさの新品種「ちば丸」の種芋を手に「産地をもう一度作り 上げていく最高のチャンス」と力説する。ちば丸は県が10年がかりで開発し、今秋から本格出荷される。中国産の攻勢に苦しんできた生産者が悲願とするブラ ンド確立への第一歩だ。

 大木さんは一度、サトイモ作りを断念している。中国産の輸入急増に加え、皮がむきにくいことなどが敬遠されて消費も低迷、価格が下落した。04年ごろには地元集落のサトイモ農家はすべてサツマイモなどに転作した。

 ちば丸は形が丸く皮がむきやすく、ぬめりの少ない食感が「若者の口に合う」(千葉県生産販売振興課)という。昨秋収穫した芋を今年1、2月に試験 販売したところ、東京都中央卸売市場の価格(1キロ=260~280円)を大きく上回る300~600円の値がついた。今秋の収穫分は作付け前から引き合 いが始まり、既に完売状態だという。

 だが、大木さんらは「極端な品薄の中、ちば丸だからというより、国産ほしさに飛びついただけという可能性もある」と慎重だ。さらに「中国産の輸入量が再び急増しないとも限らない。それでもブランド力で負けないよう腰を据えてやらないと」と付け加えた。

 サトイモ産地の再生は、今の追い風に乗るだけではおぼつかないと考えるからだ。

 ◇外食産業、国産調達に必死

 外食産業などでは、食材を中国産から国産に切り替える動きが広がっているが、価格差が大きい上に量の確保も難しいため、試行錯誤が続いている。

 焼き肉店「牛角」を展開するレインズインターナショナルは、4月1日にニンニクをいったん中国産から国産に変えたが、同月中旬からは韓国産を使っている。国産調達は「コストと量の両面から不可能」と判断した。

 国産野菜を使っていた業者にも影響が出ている。東京・神楽坂の料亭は「ネギやシイタケの値上がりが痛い。無駄が出ないよう調理に気を使う」と話す。

 小中学校の給食でも、豚汁のサトイモを、自給率が高く価格が安定しているジャガイモに切り替えるところが目立っている。

 一方、冷凍食品業界の動きは鈍い。食材の価格差だけでなく、皮むきや包装を国内でやるとコストが増え「『安くて便利』という商品性が成り立たな い」(大手冷凍食品会社)からだ。大手のニチレイは「中国産でも厳重に安全管理していることを消費者に知ってもらうしかない」と話す。

 ◇野菜輸入は05年177万トンがピーク

 財務省の貿易統計などによると、中国産野菜の輸入は90年代前半から増え始め、05年のピーク時には177万トンに達した。だが、中国産ホウレン ソウから基準値を超す農薬が検出されるなど安全性に対する不安が高まり、06年の輸入量は前年比1%減、07年は前年比11%の大幅減となった。

 今年1月、中国製冷凍ギョーザによる中毒事件が報じられて以降は減少ペースが更に加速。2月の中国産野菜の輸入量は前年同月比26%減、3月は 35%減となった。ただ、中国産への依存度は高く、転換は容易でない。ニンニク、サトイモの輸入先はほとんど中国で、シイタケも9割近い。これら3品目の 自給率は40~60%台にとどまっており、中国からの輸入が急減すれば、国内需給が一気に逼迫(ひっぱく)する構図になっている。

毎日新聞 2008年5月6日 東京朝刊

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